春の味覚を楽しむ! 山菜採りのポイント

ユガテの森(飯能市)で山菜採り体験 KIDS
ユガテの森(飯能市)で山菜採り体験

山の恵みを楽しむアクティビティのひとつに「山菜採り」があります。

雪どけのころから、初夏のころまで楽しめる、山のグルメ。

山菜を採っていい場所は限られます。たいていの山は所有者がいて、自由に山菜を採ることはできません。国立公園などの管理地では、そこにあるものを持ち帰ってはいけない決まりがあります。

また、地域によって採れる山菜の種類も異なります。採りに出かける時期によって、見た目が異なることもあれば、山菜に似た形状で間違えて食べると死に至る毒草もあるので注意が必要です。

山菜採りを楽しむ際は、その地域をよく知る団体やガイドが主催するツアーなどに参加することをおすすめします。

そして、子どもと行く場合は、ある程度歩ける体力がついてから行くことをおすすめします。

ユガテの森で山菜採り

わらびを収穫

わらびを収穫

埼玉県飯能市にある「ユガテの森」は、NPO法人西川木楽会が管理する里山です。

ユガテの森を訪れ、森林インストラクターの佐藤さんと事務局の宮島さんにご案内いただき、親子で山菜採りを楽しんできました。

山菜の種類

このあたり一帯は、奥武蔵のハイキングコースとしても人気がある場所。この日も多くの登山者、ハイカーたちが、山を楽しんでいました。トレランコースの一部にもなっていて、ときおり軽快な足音が近づいては早いスピードで抜き去っていきます。

山をゆっくり歩きながら、山菜を見つけるたびに立ち止まり、摘み取りながら進みました。この日に収穫した、山菜の種類をご紹介します。

タラノメ

タラノメは取り過ぎないように注意

タラノメは採りすぎないように注意

山菜の王様と呼ばれる、人気の山菜。タラノキの新芽で、ほのかな苦みと香りが特徴です。

よく(スーパーなどでも)見かけるタラノメは、緑色で葉が開き始める前ですが、写真は新芽が少し大きく育ったもの。しっかりしたトゲがあるので収穫の際は軍手があると安心です。このトゲ、食べるときはそれほど気になりません。

とげだらけのタラノメ

とげだらけのタラノメ

写真の大きさに育ったものは、ヤマウルシと見た目が似ています。トゲがあるのはタラノキ。幹にトゲがない、下の写真がヤマウルシです。ヤマウルシは触れるとかぶれることがあるので、間違って収穫しないよう注意。

ヤマウルシ

ヤマウルシに触れるとかぶれる場合があるので注意

ウド

竹のような空洞の枝のようなものをみつけたら、ウドを探してみましょう。さわやかな香りと食感が人気のウド。

写真のように葉が大きく開いていてもおいしく食べられました。

肉厚な根元部分がおいしいところ。ナイフを使って根元からしっかり収穫します。

ウドは根本の太いところからナイフで収穫

ウドは根本の太いところからナイフで収穫

モミジガサ

独特の香りで女性に好まれるモミジガサ

独特の香りで女性に好まれるモミジガサ

モミジのような葉の形で、つやつやと光沢があるモミジガサ。香りがよく、天ぷらのほかに、おひたしにしてもおいしいとのこと。

ヤブレガサ

ヤブレガサは葉が垂れて光沢がない

ヤブレガサは葉が垂れて光沢がない

モミジガサと似ていますが、つやがなく、全体的に傘のようにくたっと葉が垂れているのが、ヤブレガサ。ごま和えや白和えにも合うそうです。

たんぽぽ

たんぽぽもてんぷらにしてどうぞ

たんぽぽも天ぷらに

たんぽぽも摘み取って、天ぷらに。ユガテの森で見つけたたんぽぽは、西洋タンポポと日本タンポポが同じ場所に生えていました。写真は西洋たんぽぽ。

サンショウ

サンショウの収穫はとげに注意

サンショウの収穫はとげに注意

独特の良い香りが特徴。生でも天ぷらでもおいしく、食事のアクセントになります。

枝にびっしりトゲがあるので、収穫の際は軍手などをつけてトゲに気をつけましょう。

ビワの葉

びわの木の新芽の様子

びわの木の新芽の様子

遠くからビワの木を見ると、この時期、新芽の美しいもえぎ色を見ることができます。この時期の葉は、柔らかくおいしい山菜として食べることができます。

タケノコ

タケノコも春の味覚

タケノコも春の味覚

言わずと知れた、春の食材。美味しく食べるコツは、なるべく土から出ていないものを掘って、収穫したらすぐにアク抜きをするのがポイントです。

収穫したら、軽く水洗い

山菜を収穫したら、軽く水で洗ってから天ぷらの衣をつけます。

収穫した山菜を軽く水洗い

収穫した山菜を軽く水洗い

山菜は天ぷらで

山菜の天ぷら

山菜の天ぷら

春の山菜を食べる方法といえば、天ぷらが定番。

苦みやクセがあるものが多く、アク抜きが必要なものもあるので、おひたしなどで食べるよりも、食べやすいのです。

山菜採りの注意点

収穫自体が楽しいものですが、採りすぎには注意。山の恵みは独り占めせず、食べられる量を考えましょう。

山菜採りに夢中になると、山で迷子になったり、登山道で足を踏み外してけがをすることもあります。

足元に十分気をつけましょう。

図鑑で確認

山菜によっては、よく似た毒草などもあり、注意が必要です。

例えば、ニリンソウはトリカブトと葉の形が酷似していて、しかも同じ場所に生息していることもあり、見分けるのはとても難しいもの。だからニリンソウは食べない、という人もいます。

タラノメとヤマウルシも似ているので注意が必要です。

食べられる食材かどうか、図鑑で確認したり、専門家に確認するようにしましょう。

参考図書

山菜についてまとめている本はたくさんありますが、食べられる植物だけでなく、間違えやすい植物やよく似た毒草もあわせて掲載されているものを選ぶと、見分けの際に安心です。

 

よくわかる山菜大図鑑―新芽 葉 実 花

おいしい山の恵み

今まで、深い山の地域で山菜を食べることが多かったので、今回、身近なところにも山菜があると気づいて驚きました。

採れたてを食べるのはおいしい、そして、木の葉やつるまでおいしく食べられることを知って、山の豊かさに改めて驚きました。

収穫体験の様子は、以下の動画でも紹介しています。

西川木楽会

西川木楽会は、ユガテの森を30年に渡り、育て管理してきたNPO団体です。定期的な森の整備活動のほか、季節ごとに山を楽しむイベントも開催しています。

山菜ツアーは毎年、4月ごろの開催です。

西川木楽会(http://www.kirakukai.org/

飯能市エコツーリズム(https://hanno-eco.jp/